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蜀山書舎図(高啓)

蜀山書舍圖
蜀(しょく)山(ざん)の書舎(しょしゃ)の図(ず)
高(こう)啓(けい)
  • 〔テキスト〕 『高太史大全集』巻十八(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。樹(上声麌韻、去声遇韻)、去・處(上声語韻、去声御韻)通用。
  • 蜀山 … 入谷仙介『中国詩人選集二集 10 高啓』(岩波書店、1962年)には「蜀山は湖州(浙江省呉興)の山の名」とあるが、確認できず。現在の行政区画で「浙江省湖州市呉興区湖東街道蜀山社区」という地名と「蜀山路」という通りがあるので、この辺りを指すのかもしれない。
  • 書舎 … 書斎。
  • 図 … 高啓の友人で、高啓・楊基・張羽とともに「呉(ご)中(ちゅう)(蘇州の古称)の四(し)傑(けつ)」と呼ばれた詩人で画家の徐(じょ)賁(ひ)(1335~1393、字(あざな)は幼文)が蜀山に書斎を建てて住んでいた。その書斎を描いた絵。絵は未見。
  • この詩は高啓が蜀山の書斎の絵に詩を書きつけたもの。いわゆる題画詩。
  • 高啓 … 1336~1374。明初の詩人。長洲(江蘇省蘇州)の人。字(あざな)は季(き)迪(てき)、号は青(せい)邱(きゅう)子(し)。洪武二年(1369)、明の太祖に招かれて『元史』の編纂に参加した。のち友人の罪に連座して、腰斬(ようざん)の刑に処せられた。『高青邱全集』十八巻がある。ウィキペディア【高啓】参照。
山月蒼蒼照煙樹
山月(さんげつ) 蒼蒼(そうそう)として 煙樹(えんじゅ)を照(て)らす
  • 山月 … 山の上にかかった月。
  • 蒼蒼 … 月が青白いさま。
  • 煙樹 … 靄(もや)の中にかすんで見える木々。
碧浪湖頭放船去
碧浪(へきろう)湖(こ)頭(とう) 船(ふね)を放(はな)ちて去(ゆ)く
  • 碧浪湖頭 … 碧浪湖のほとり。現在の碧浪湖は、浙江省湖州市呉興区にある川の名。
  • 放船去 … 船を出して行く。
隔林夜半見孤燈
林(はやし)を隔(へだ)てて 夜(や)半(はん) 孤(こ)灯(とう)を見(み)れば
  • 隔林 … 湖畔の林の向こうに。
  • 夜半 … 夜中。
  • 孤灯 … ぽつんと一つ灯っているともし火。
知是幽人讀書處
知(し)る 是(こ)れ 幽人(ゆうじん)の書(しょ)を読(よ)む処(ところ)なるを
  • 知 … わかる。
  • 幽人 … 俗世間を避けてひっそりと暮らしている人。隠遁者。「幽子」「幽客」「幽隠」も同じ。
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