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送呂卿(高啓)

送呂卿
呂卿りょけいおく
こうけい
  • 〔テキスト〕 『高太史大全集』巻十七(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。悠・舟・愁(平声尤韻)。
  • 呂卿 … 友人のひとりと思われるが、人物については不明。
  • 高啓 … 1336~1374。明初の詩人。長洲(江蘇省蘇州)の人。あざなてき、号はせいきゅう。洪武二年(1369)、明の太祖に招かれて『元史』の編纂に参加した。のち友人の罪に連座して、腰斬ようざんの刑に処せられた。『高青邱全集』十八巻がある。ウィキペディア【高啓】参照。
遠汀斜日思悠悠
遠汀えんてい 斜日しゃじつ おも悠悠ゆうゆう
  • 遠汀 … 遠くのなぎさ。遥かな渚。遠くの波打ち際。
  • 斜日 … 夕日。
  • 悠悠 … 通常はゆったりと落ちついている様子の意であるが、ここでは友人との別れのため、憂鬱な気分が果てしなく続く様子。
花拂離觴柳拂舟
はなしょうはらい やなぎふねはら
  • 離觴 … 別離のさかずき。別れの杯。
  • 払 … (散る花びらが)かすめて飛ぶ。
  • 柳払舟 … 柳の枝が舟を撫でるように揺れる。
  • この句は「花払離觴」と「柳払舟」とが句中対になっている。
江北江南芳草遍
江北こうほく 江南こうなん 芳草ほうそうあまね
  • 江北江南 … 長江(揚子江)の北にも南にも。句中対。
  • 芳草 … よい香りのする若草。芳しい若草。
  • 遍 … 広がっている。
送君併得送春愁
きみおくってあわたり はるおくるのうれ
  • 併得 … 一緒に(悲しみが)湧き上がってきた。
  • 送春愁 … 過ぎゆく春を見送る寂しさ、悲しさ。
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