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逢呉秀才復送帰江上(高啓)

逢呉秀才復送歸江上
しゅうさいい、こうじょうかえるをおく
こうけい
  • 〔テキスト〕 『高太史大全集』巻十七(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。蹤・逢・鐘(平声冬韻)。
  • 呉 … 姓。人物については不明。
  • 秀才 … 唐初は秀才科の試験に合格した者を呼んだが、秀才科がまもなく廃止されたため、進士科の受験資格者、すなわち地方の選抜試験に合格した者をいう。ウィキペディア【秀才 (科挙)】参照。
  • 復 … 「また」と読み、「もう一度」「再び」と訳す。
  • 江上 … 揚子江のほとり。
  • 高啓 … 1336~1374。明初の詩人。長洲(江蘇省蘇州)の人。あざなてき、号はせいきゅう。洪武二年(1369)、明の太祖に招かれて『元史』の編纂に参加した。のち友人の罪に連座して、腰斬ようざんの刑に処せられた。『高青邱全集』十八巻がある。ウィキペディア【高啓】参照。
江上停舟問客蹤
こうじょう ふねとどめて かくしょう
  • 客蹤 … 旅をして歩いた跡。流浪した跡。
  • 蹤 … 『高太史大全集』(『四部叢刊 初編集部』所収)では「踪」に作る。同義。
亂前相別亂餘逢
乱前らんぜんあいわかれて らん
  • 乱 … 至正二十年(1360)、大漢国を建て皇帝となったちんゆうりょうと、明の太祖、しゅげんしょうとが数度にわたり抗争を繰り返し、至正二十三年(1363)、ようの戦いで陳友諒が敗死した。「乱」とはこの前後を指すと思われる。ウィキペディア【ハ陽湖の戦い】参照。
  • 乱余 … 戦乱の後。
暫時握手還分手
ざん にぎって わか
  • 暫時 … しばらくの間。
  • 還 … 「また」と読み、「もう一度」「再び」と訳す。「復」と同じ。中世以後の俗語。
暮雨南陵水寺鐘
暮雨ぼうなんりょう すいかね
  • 暮雨 … 夕暮れの雨。
  • 南陵 … 地名。安徽省蕪湖市の南にある。ウィキペディア【南陵県】参照。
  • 水寺 … 水辺の寺。
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