己亥雑詩三百十五首 其百二十五(龔自珍)
己亥雜詩三百十五首 其百二十五
己亥雑詩三百十五首 其の百二十五
己亥雑詩三百十五首 其の百二十五
- 〔テキスト〕 『定盦文集補』(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
- 七言絶句。雷・哀・材(平声灰韻)。
- 己亥 … 道光十九年(1839)、己亥の年の作。退官し、帰郷の途次に詠んだ詩。三百十五首連作の第百二十五首。
- 雑詩 … 感じたことを自由に詠んだ詩。
- 龔自珍 … 1792~1841。清代の学者。仁和(浙江省杭州市)の人。字は璱人。号は定盦。道光九年(1829)、進士に及第。清の大学者で『説文解字注』を著した段玉裁の外孫。公羊学に傾倒し、清末の革新思想の源流となった。『定盦文集』三巻などがある。ウィキペディア【龔自珍】参照。
九州生氣恃風雷
九州の生気 風雷を恃む
- 九州 … 中国全土のこと。
- 生気 … いきいきとした気力。活気。生命力。
- 風雷 … 疾風と迅雷。勢いの盛んなものの喩え。
- 恃 … 頼る。
萬馬齊瘖究可哀
万馬 斉しく瘖す 究に哀しむ可し
- 万馬 … 多くの馬。政治変革を望む人々に喩える。
- 斉 … ともに。同様に。いっせいに。
- 瘖 … 口がきけないこと。ものが言えないこと。
- 究 … 何とも。何といっても。何としても。
我勸天公重抖擻
我は勧む 天公 重ねて抖擻し
- 我勧 … 私は勧めます。私はお願いしたい。
- 天公 … 天の主宰者。神。天帝。
- 抖擻 … 発奮する。奮い立つ。畳韻の語。
不拘一格降人材
一格に拘らず 人材を降さんことを
- 不拘一格 … 一つの型に縛られない。「破格」に同じ。
- 人材 … 有能な人物。才能のすぐれた人物。
- 降 … 地上に遣わす。
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