春日雑詩十二首 其一(袁枚)
春日雜詩十二首 其一
春日雑詩十二首 其の一
春日雑詩十二首 其の一
- 〔テキスト〕 『小倉山房詩集』巻十五、他
- 七言絶句。煙・天・巓(平声先韻)。
- ウィキソース「小倉山房詩集/15」参照。
- 乾隆二十四年(1759)の作。十二首連作の第一首。
- 春日 … 春ののどかな日。または、春の日差し。
- 雑詩 … 感じたことを自由に詠んだ詩。
- 袁枚 … 1716~1798。清代中期の詩人。銭塘(浙江省杭州)の人。字は子才。号は簡斎。乾隆四年(1739)、進士に及第。翰林院庶吉士、江寧県(南京の東南)の知事などを歴任した。江寧在任中、小倉山に別荘を築き、随園と名づけた。三十八歳で退官し、以後随園にて文筆活動を中心として悠々自適の生活を送った。詩では性霊説(性情の自由な流露を尊重すること)を唱えた。著に『小倉山房詩集』、『随園詩話』などがある。ウィキペディア【袁枚】参照。
千枝紅雨萬重煙
千枝の紅雨 万重の煙
- 千枝 … 多くの木の枝から。
- 紅雨 … 赤い花びらの散る形容。
- 万重 … 幾重にも重なり、たなびいている。
- 煙 … 春霞。
畫出詩人得意天
画き出す 詩人 得意の天
- 画出 … 描き出している。
- 得意天 … (詩人の)心情にかなった好景。(詩人の)心を満足させる春景色。
山上春雲如我懶
山上の春雲 我が懶の如く
- 春雲 … 春の雲。
- 懶 … ものぐさなさま。怠ること。ここでは惰眠を貪って物憂い気分。
日高猶宿翠微巓
日高くして 猶お宿す 翠微の巓
- 日高 … 日は高く昇っているのに。
- 猶 … 相変わらず。それでもまだ。
- 宿 … 宿って動かない。とどまって眠ったように動かない。
- 翠微 … 山の八合目あたり。薄緑色にかすんで見える。
- 巓 … 山の頂上。
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