勅勒歌(無名氏)[北斉]
敕勒歌
勅勒の歌
勅勒の歌
- 〔テキスト〕 『楽府詩集』巻八十六、『先秦漢魏晋南北朝詩』北斉詩巻三、『古詩源』巻十四 北斉詩、『古詩賞析』巻二十一 北斉詩、他
- 雑言古詩。下・野(上声馬韻)/蒼・茫・羊(平声陽韻)。換韻。
- ウィキソース「敕勒歌」参照。
- 勅勒歌 … 北朝の民歌。もともと鮮卑語であった作品を斛律金が漢訳したもの。勅勒の地の雄大な自然をうたった牧歌。
- 勅勒 … 南北朝時代、バイカル湖の南からアルタイ山脈一帯に住んでいたトルコ系種族の名。テュルク。丁零。また、その土地の名。ウィキペディア【丁零】参照。
- 斛律金 … 488~567。北斉の武将。姓は斛律、名は金、字は阿六敦。鮮卑族の出身。高歓(496~547)に仕えた。ウィキペディア【斛律金】参照。
敕勒川
勅勒の川
- 勅勒川 … 勅勒の人々が住んでいる辺りを流れる川。また、「川」を「平原」と解釈する説もある。
陰山下
陰山の下
- 陰山 … 内モンゴル自治区にある山脈の名。陰山山脈。ウィキペディア【陰山山脈】参照。
- 下 … ふもと。
天似穹廬
天は穹廬に似て
- 天 … 大空。
- 穹廬 … 遊牧民の移動式住居。ドーム型のテントのような住居。包。
籠蓋四野
四野を籠蓋す
- 四野 … 四方に広がる平野。
- 籠蓋 … 覆いかぶさる。
天蒼蒼
天は蒼蒼たり
- 天 … 空。
- 蒼蒼 … 青々と澄みわたっているさま。
野茫茫
野は茫茫たり
- 野 … 平原。草原。
- 茫茫 … 果てしなく広がっているさま。
風吹草低見牛羊
風吹き草低れて牛羊見る
- 風吹草低 … 風が吹いて草がなびく。「低」は草がなびいて低くなること。
- 牛羊 … 牛や羊の姿。
- 見 … 現す。見えてくる。「現」と同じ。
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