陽貨第十七 10 子謂伯魚曰章
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子謂伯魚曰。女爲周南召南矣乎。人而不爲周南召南。其猶正牆面而立也與。
子謂伯魚曰。女爲周南召南矣乎。人而不爲周南召南。其猶正牆面而立也與。
子、伯魚に謂いて曰く、女は周南・召南を為びたるか。人にして周南・召南を為ばずんば、其れ猶お正しく牆に面して立つがごときか。
現代語訳
- 先生が(子の)伯魚にむかって ――「おまえは(詩の本の)周南と召南を身につけたかね。人間は周南・召南を身につけなかったら、まるでカベに顔をつきあわせたようなものだな。」(魚返善雄『論語新訳』)
- 先師が子息の伯魚にいわれた。
「お前は周南・召南の詩を研究してみたのか。この二つの詩がわからなければ、人間も土塀に鼻つきつけて立っているようなものだがな」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
補説
- 伯魚 … 『孔子家語』本姓解に「十九に至りて、宋の上官氏を娶る。伯魚を生む。魚の生るるや、魯の昭公、鯉魚を以て孔子に賜う。君の貺を栄れとし、故に因りて以て鯉と名づけ、伯魚と字す。魚、年五十、孔子に先だちて卒す」(至十九、娶於宋之上官氏。生伯魚。魚之生也、魯昭公以鯉魚賜孔子。榮君之貺故因以名鯉、而字伯魚。魚年五十、先孔子卒)とある。ウィキソース「家語 (四庫全書本)/卷09」参照。
- 女 … 『義疏』では「汝」に作る。
- 召 … 『義疏』では「邵」に作る。
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