子路第十三 1 子路問政章
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子路問政。子曰。先之勞之。請益。曰。無倦。
子路問政。子曰。先之勞之。請益。曰。無倦。
子路政を問う。子曰く、之に先んじ、之を労う。益を請う。曰く、倦むこと無かれ。
現代語訳
- 子路が政治のことをきく。先生 ――「先に立って、はげますことだ。」なおもたずねる。先生 ――「あきないことだ。」(魚返善雄『論語新訳』)
- 子路が政治についてたずねた。先師がこたえられた。――
「人民の先に立ち、人民のために骨折るがいい」
子路は物足りない気がして、いった。
「もう少しお話をお願いいたします」
すると先師はいわれた。――
「あきないでやることだ」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
- 子路 … 前542~前480。姓は仲、名は由。字は子路、または季路。魯の卞の人。孔門十哲のひとり。孔子より九歳年下。門人中最年長者。政治的才能があり、また正義感が強く武勇にも優れていた。ウィキペディア【子路】参照。
- 問政 … 政治の要諦をたずねた。
- 先之 … 人民に率先する。「之」は人民を指す。
- 労之 … 人民をいたわり、ねぎらう。「之」は人民を指す。
- 請益 … もう少し付け加えてお話し下さい。「請」は「~して下さい」の意。「益」は増し加えること。
- 無倦 … 飽きてはならない。「倦」は物事に飽きて、いやになること。「無」は「毋」「勿」「莫」と同じく、「なかれ」と読み、「~するな」と訳す。禁止の意を示す。
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