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論語 子罕第九 30

09-30 唐棣之華。偏其反而。豈不爾思。室是遠而。子曰。未之思也夫。何遠之有。
唐棣とうていはなへんとしてはんせり。あになんじおもわざらんや。しつとおければなり。いわく、いまこれおもわざるかな。なんとおきことかこれらん。
  • 唐棣之華。偏其反而。豈不爾思。室是遠而 … この四句の歌謡は『詩経』に採取されていない。逸詩。新注には「此れ逸詩なり」(此逸詩也)とある。
  • 唐棣 … にわざくら。にわうめ。すもも。新注には「唐棣は、いくなり」(唐棣、郁李也)とある。「郁李」は、にわうめ。
  • 偏其反而 … 「偏」も「反」も翻ること。「而」は助字。ひらひらと揺れている情景を指す。新注には「偏は、晋書に翩に作る。然れば則ち反も亦た当に翻と同じくすべし。華の揺動するを言うなり。而は、語助なり」(偏、晉書作翩。然則反亦當與翻同。言華之搖動也。而、語助也)とある。
  • 豈不爾思 … どうしてあなたを恋しいと思わないことがあろうか。反語形。
  • 室是遠而 … あんまり家が遠すぎて会いに行けないよ。
  • 未之思也夫 … まだ恋する思いが足りないね。本気で恋しいと思っていないね。
  • 何遠之有 … 本気で恋しければ、どうして遠いことなどあろうか。反語形。
  • 下村湖人(1884~1955)は「民謡にこういうのがある。『ゆすらうめの木、花咲きゃ招く、ひらりひらりと、色よく招く。招きゃこの胸、こがれるばかり、道が遠くて、行かりゃせぬ』。先師はこの民謡をきいていわれた。まだ思いようが足りないね。なあに、遠いことがあるものか」と訳している(現代訳論語)。
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