夜直(王安石)
夜直
夜直
夜直
金爐香盡漏聲殘
金炉 香尽きて 漏声残す
- 金炉 … 宮中のにある美しい金属製の香炉。
- 香尽 … 香が燃え尽きる。
- 盡 … 『宋詩鈔』では「燼」に作る。
- 漏声 … 水時計の水のしたたる音。「漏」は漏刻。水時計。
- 残 … 音がかすかになる。音が残響を引きながら消えていく。
翦翦輕風陣陣寒
翦翦たる軽風 陣陣寒し
- 翦翦 … 肌寒い風が吹く形容。「剪剪」とも書く。このように同じ漢字を重ねた熟語を「重言」または「畳語」という。
- 軽風 … 微風。そよ風。
- 陣陣 … 一陣の風ごとに。ひとしきりずつ。畳語。
春色惱人眠不得
春色 人を悩まして 眠り得ず
- 春色 … 春の景色。春の気配。謝朓の「徐都曹に和す」(『文選』巻三十)に「宛洛は遨游に佳く、春色は皇州に満つ」(宛洛佳遨游、春色滿皇州)とある。宛洛は、宛邑(南陽)と洛陽との二都。遨游は、気ままに遊び楽しむこと。皇州は、帝都の地。ウィキソース「昭明文選/卷30」参照。
- 悩人 … 人の心を悩ませる。人を物思いにふけさせる。
- 眠不得 … 眠ろうとしても眠れない。「不得眠」の口語的表現。
月移花影上欄干
月は花影を移して 欄干に上らしむ
- 花影 … 花の影。
- 月移花影上欄干 … 月がいつしか西の空に移って行き、今まで庭にあった花の影が欄干の上に現れてきた。直訳すると「月が花の影を移らせ、欄干にのぼらせた」になる。
こちらもオススメ!
歴代詩選 | |
古代 | 前漢 |
後漢 | 魏 |
晋 | 南北朝 |
初唐 | 盛唐 |
中唐 | 晩唐 |
北宋 | 南宋 |
金 | 元 |
明 | 清 |
唐詩選 | |
巻一 五言古詩 | 巻二 七言古詩 |
巻三 五言律詩 | 巻四 五言排律 |
巻五 七言律詩 | 巻六 五言絶句 |
巻七 七言絶句 |
詩人別 | ||
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | は行 | ま行 |
や行 | ら行 |