鍾山即事(王安石)
鍾山即事
鍾山即事
鍾山即事
- 〔テキスト〕 『臨川先生文集』巻三十、『宋詩鈔』巻十九、他
- 七言絶句。流・柔・幽(下平声尤韻)。
- ウィキソース「鍾山即事」参照。
- 鍾山 … 今の江蘇省南京市の郊外にある山の名。蒋山、紫金山ともいう。ウィキペディア【紫金山】参照。
- 即事 … 目の前の情景や事柄に即して、見たままに詠じたもの。
- 王安石 … 1021~1086。北宋の政治家。臨川(江西省)の人。字は介甫、号は半山。荊国公を贈られたので荊公とも呼ばれる。慶暦二年(1042)、進士に及第。新法を実行し政治改革を推進したが、のち保守派の反対によって辞職した。唐宋八大家の一人。詩文集『臨川先生文集』百巻がある。ウィキペディア【王安石】参照。
澗水無聲繞竹流
澗水 声無く 竹を繞って流る
- 澗水 … 谷川の水。『詩経』召南・采蘩の詩に「于に以て蘩を采る、澗の中に」(于以采蘩、于澗之中)とあり、その毛伝に「山が水を夾むを澗と曰う」(山夾水曰澗)とある。『毛詩』巻一(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 繞 … 巡る。まわりを回る。「遶」に作るテキストもある。同義。
竹西花草弄春柔
竹西の花草 春柔を弄す
- 竹西 … 竹林の西側あたり。
- 花草 … 花の咲く草。草花。
- 春柔 … 春の柔らかな気配。
- 弄 … ここでは表す。「露」に作るテキストもある。
茅簷相對坐終日
茅簷 相対して 坐すること終日
- 茅簷 … かやぶきの軒端。「簷」は、のき。
- 相対 … 鍾山と向かい合って。
- 坐終日 … 一日中坐っていると。
一鳥不啼山更幽
一鳥啼かず 山更に幽なり
- 一鳥 … 鳥一羽。
- 不啼 … 鳴き声一つなく。
- 更幽 … いっそう奥深く静かである。
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