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初夏即事(王安石)

初夏即事
初(しょ)夏(か)即(そく)事(じ)
王(おう)安石(あんせき)
  • 〔テキスト〕 『臨川先生文集』巻二十七、『宋詩鈔』巻十九、他
  • 七言絶句。碕・陂・時(上平声支韻)。
  • ウィキソース「初夏即事」参照。
  • 初夏 … 陰暦の初夏。陰暦四月。
  • 即事 … 目の前の情景や事柄に即して、見たままに詠じた詩。
  • 王安石 … 1021~1086。北宋の政治家。臨川(江西省)の人。字(あざな)は介(かい)甫(ほ)、号は半山。荊国公を贈られたので荊公とも呼ばれる。慶暦二年(1042)、進士に及第。新法を実行し政治改革を推進したが、のち保守派の反対によって辞職した。唐宋八大家の一人。詩文集『臨川先生文集』百巻がある。ウィキペディア【王安石】参照。
石梁茅屋有彎碕
石(せき)梁(りょう) 茅屋(ぼうおく) 彎(わん)碕(き)有(あ)り
  • 石梁 … 石で造った橋。石橋。梁は、橋。橋梁。
  • 茅屋 … かやぶき屋根の小さな家。作者の隠宅(隠居所)を指す。
  • 彎碕 … 彎曲した岸辺。碕は、曲がって突き出た川岸。作者の隠宅の北側に屈曲した小川があったらしい。
流水濺濺度兩陂
流(りゅう)水(すい) 濺濺(せんせん)として 両(りょう)陂(ひ)を度(わた)る
  • 流水 … 流れる水。
  • 濺濺 … 水がさらさらと勢いよく流れる音の形容。このように同じ漢字を重ねた熟語を「重(ちょう)言(げん)」または「畳(じょう)語(ご)」という。
  • 両陂 … 両側の土手。陂は、つつみ。土手。また、池という意もある。
晴日暖風生麥氣
晴日(せいじつ) 暖風(だんぷう) 麦(ばく)気(き)を生(しょう)ず
  • 晴日 … 晴れた日差し。
  • 暖風 … 暖かい風。暖められた風。
  • 麦気 … 麦の香り。ちなみに麦を取り入れる初夏の頃を「麦(ばく)秋(しゅう)」という。
  • 生 … 漂ってくる。
綠陰幽草勝花時
緑(りょく)陰(いん) 幽草(ゆうそう) 花時(かじ)に勝(まさ)れり
  • 緑陰 … 青葉の茂った木(こ)陰(かげ)。
  • 幽草 … 人目につかずひっそりと生い茂った草。
  • 花時 … 花の咲く時節。
  • 勝 … はるかに美しい。素晴らしい。
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