書堂飲既夜復邀李尚書下馬月下賦(杜甫)
書堂飲既夜復邀李尚書下馬月下賦
書堂にて飲む、既に夜にして復た李尚書を邀え、馬より下りて月下に賦す
書堂にて飲む、既に夜にして復た李尚書を邀え、馬より下りて月下に賦す
- 七言絶句。清・傾・更(平声庚韻)。
- 書堂 … 胡侍御の書斎を指す。
- 李尚書 … 李之芳。
- 書堂飲既夜復邀李尚書下馬月下賦 … 『全唐詩』では「書堂飲既夜復邀李尚書下馬月下賦絶句」に作る。
- 杜甫 … 712~770。盛唐の詩人。襄陽(湖北省)の人。字は子美。祖父は初唐の詩人、杜審言。若い頃、科挙を受験したが及第できず、各地を放浪して李白らと親交を結んだ。安史の乱では賊軍に捕らえられたが、やがて脱出し、新帝粛宗のもとで左拾遺に任じられた。その翌年左遷されたため官を捨てた。四十八歳の時、成都(四川省成都市)の近くの浣花渓に草堂を建てて四年ほど過ごしたが、再び各地を転々とし一生を終えた。中国最高の詩人として「詩聖」と呼ばれ、李白とともに「李杜」と並称される。『杜工部集』がある。ウィキペディア【杜甫】参照。
湖月林風相與清
湖月 林風 相与に清し
- 月 … 『全唐詩』では「湖水」に作り、「一作月」とある。
殘尊下馬復同傾
残尊 馬より下りて復た同じく傾く
- 残尊 … 残った酒。尊は樽に同じ。酒壺のこと。
久野鶴如雙霜髩
久しく(す)つ 野鶴如たる双鬢
- … うっちゃらかす。『全唐詩』では「判」に作る。
- 野鶴如 … 如野鶴の倒置法。
- 双鬢 … 左右の鬢の毛。
遮莫鄰雞下五更
遮莫 隣雞の五更を下ぐるを
- 遮莫 … ええ、ままよ。
- 隣雞 … 隣りの鶏。
- 五更 … 今の午前四時。夜明けのとき。
- 下ぐる … 鶏が時を告げること。
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