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秋怨(魚玄機)

秋怨しゅうえん
ぎょげん     
  • 〔出典〕 『全唐詩』、他
  • 七言絶句。愁・秋・頭(平声尤韻)。
  • 『全唐詩』巻804所収。ウィキソース「秋怨 (魚玄機)」参照。
  • 秋怨 … 秋の夜の煩悶。
  • 魚玄機 … 844~871。晩唐の女流詩人。あざなよう蕙蘭けいらん。長安(陝西省西安市)の人。高級官吏であったおくの側室になったが、その後捨てられ、道観どうかん(道教の寺院)に入ってじょどうとなった。おん庭筠ていいんをはじめ長安の名士たちと親交を結んだ。のちに侍女を殺したため処刑された。森鷗外に小説「魚玄機」がある。青空文庫「魚玄機」参照。
自歎多情是足愁
みずかたんず じょうそくしゅうなるを
  • 多情 … 人を恋しいと思う感情が強いこと。
  • 足愁 … 十分な愁い。
況當風月滿庭秋
いわんや風月ふうげつ満庭まんていあきあたるをや
  • 況 … まして~はなおさらである。
  • 風月 … 清らかな風と美しい月。
  • 満庭 … 庭一面。
洞房偏與更聲近
洞房どうぼう ひとえに更声こうせいちか
  • 洞房 … 婦人の部屋。閨房けいぼう
  • 偏 … あいにく。困ったことに。いやなことに。
  • 更声 … 時を告げる太鼓の音。「更」は、初更・二更・三更・四更・五更と、夜を五つに区切ったそれぞれの時刻の呼び名。通常初更は八時、二更は十時、三更は十二時、四更は午前二時、五更は午前四時。その度に太鼓を打って時を知らせた。
  • 與(与) … 「と」と読み、「~と」と訳す。
夜夜燈前欲白頭
夜夜よよ 灯前とうぜん 白頭はくとうならんとほっ
  • 夜夜 … 夜ごと。毎夜。
  • 灯前 … ともし火の前。
  • 白頭 … しらが頭。愁いのために白髪が増えていく。
  • 欲 … 「(んと)ほっす」と読み、「今にも~しようとする」「今にも~になりそうだ」と訳す。
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