>   漢詩   >   詩人別 :か行   >   跋子瞻和陶詩(黄庭堅)

跋子瞻和陶詩(黄庭堅)

跋子瞻和陶詩
せんとうばっす)
こう庭堅ていけん     
  • 〔出典〕 『豫章黄先生文集』巻七(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 五言古詩。之・詩(平声支韻)、士・似(上声紙韻)、換韻。
  • 子瞻 … 蘇軾のあざな
  • 和陶詩 … 陶淵明の「飲酒二十首 其五」の詩に和韻した蘇軾の詩「和陶飲酒二十首 其五」を指す。ちなみに和韻には、依韻・用韻・次韻の三種がある。「依韻」は原作と同類の韻を用いること。「用韻」は原作に用いられている韻字を順不同でそのまま用いること。「次韻」は原作と同一の字を同一の順に用いること。ここでは次韻。ウィキソース「飲酒二十首」および「和飲酒二十首」参照。
  • 跋 … 書物で文章の終わったあとに記す文。跋文。跋語。ここでは五言古詩の形式で作った。
  • 黄庭堅 … 1045~1105。北宋の詩人、書家。洪州分寧ふんねい(江西省修水県)の人。あざなちょく、号は山谷さんこく道人どうじん。治平四(1067)年、二十三歳で進士に及第。蘇軾の門下生で、蘇門四学士の第一といわれた。師と合わせて蘇黄と並称される。江西詩派の祖。書においては北宋四大家の一人に数えられ、特に草書に優れるとされる。また、おうりょうの禅僧晦堂かいどうしんに禅を学んだ。わが国では、蘇軾とともに五山の禅僧に愛読された。ウィキペディア【黄庭堅】参照。
子瞻謫嶺南
せん 嶺南れいなんたくせられ
  • 子瞻 … 蘇軾のあざな
  • 嶺南 … 五嶺(南嶺山脈)の南方。広東省・広西チワン族自治区地方を指す。ウィキペディア【嶺南 (中国)】参照。
  • 謫 … 罪によって遠方へ流される。たく貶謫へんたく
時宰欲殺之
さい これころさんとほっ
  • 時宰 … この時の宰相。しょうとんを指す。
  • 之 … 蘇軾を指す。
飽喫惠州飯
くまでけいしゅうはんきっ
  • 飽喫 … 十二分に食事を取る。
  • 恵州 … 今の広東省恵州市。紹聖元(1094)年、蘇軾は恵州に流された。ウィキペディア【恵州市】参照。
細和淵明詩
こまやかに淵明えんめい
  • 細 … つぶさに。詳細に。
  • 和 … 和韻(他人の漢詩と同じ韻を使って漢詩を作ること)すること。
彭澤千載人
彭沢ほうたく千載せんざいにと
  • 彭沢 … 江西省北東部にある県名。陶淵明は彭沢令(県の長官)をしていたので、ここでは彭沢令という意味での陶淵明を指す。
  • 千載人 … 千年に一人の人。「千載」は千年。
東坡百世士
とうひゃくせい
  • 百世士 … 百代の一人の立派な人。「百世」は百代。「士」は立派な男子。
出處雖不同
しゅっしょおなじからずといえど
  • 出処 … 官職に就くことと、退いて民間にいること。
  • 雖不同 … 同じではないが。陶淵明はほとんど隠遁生活であったが、蘇軾は仕官の人生であった。
風味乃相似
ふうすなわあいたり
  • 風味 … 人としての趣。人品。風格。
  • 相 … 「あい」と読み、「たがいに」「相互に」「いっしょに」と訳す。
  • 似 … 似ている。
歴代名詩選
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行