豊楽亭遊春三首 其三(欧陽修)
豐樂亭遊春三首 其三
豊楽亭遊春三首 其の三
豊楽亭遊春三首 其の三
- 〔テキスト〕 『欧陽文忠公集』巻十一(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
- 七言絶句。斜・涯・花(平声麻韻)。
- ウィキソース「豐樂亭遊春」参照。
- 豊楽亭 … 欧陽修が滁州(現在の安徽省滁州市)の西南、琅琊山の幽谷泉のほとりに建てたあずまや。
- 遊春 … 春の行楽。春景色の野山を散策すること。
- 欧陽修 … 1007~1072。北宋の政治家、文学者、学者。吉州廬陵(江西省吉安市)の人。字は永叔、号は酔翁・六一居士。諡は文忠。欧陽脩とも書く。唐宋八大家の一人。天聖八年(1030)、進士に及第。官職を歴任したが、王安石の新法に反対し引退した。『新唐書』『新五代史』を編纂した。また、詩文集として『欧陽文忠公集』がある。ウィキペディア【欧陽脩】参照。
紅樹靑山日欲斜
紅樹 青山 日 斜めならんと欲す
- 紅樹 … 赤い花の咲いている樹木。桃やスモモの木など。
- 青山 … 青々と草木の茂っている山。青々と芽吹く山。
- 日欲斜 … 日が傾きかけている。
長郊草色綠無涯
長郊の草色 緑 涯無し
- 長郊 … 広々と広がる野原。
- 草色 … 草の色。
- 緑 … 緑一色。
- 無涯 … 果てしなく。
遊人不管春將老
遊人は管せず 春の将に老いんとするを
- 遊人 … ここでは春の行楽に出かけた人々。
- 不管 … 気にかけない。
- 春将老 … 春がもうすぐ過ぎ去ろうとしていること。
- 将 … 「まさに~んとす」と読み、「今にも~しようとする」と訳す。再読文字。
- 老 … 『欧陽文忠公集』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「一作盡」とある。
來往亭前踏落花
亭前に来往して落花を踏む
- 亭前 … 豊楽亭の前。
- 来往 … 行ったり来たりすること。『欧陽文忠公集』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「一作空遶(空しく遶る)」とある。
- 落花 … 散った花びら。
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