郷党第十 14 入太廟毎事問章
249(10-14)
入太廟、毎事問。
入太廟、毎事問。
太廟に入りて、事毎に問う。
現代語訳
- 大神宮では、いちいち人にきく。(魚返善雄『論語新訳』)
- (孔子様が)大廟に参拝しまた祭にたずさわるとき、これをどう致すのですか、次に何がござりますか、と事毎にたずねられた。(穂積重遠『新訳論語』、「八佾第三15」からの引用)
- 大廟に入られると、ことごとく係の人に質問される。(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
補説
- 『注疏』に「此れ孔子の助祭するに因りて太廟に入り、廟中の礼儀祭器、之を知ると雖も、猶お事毎に復た問うは、慎の至りなるを明らかにするなり」(此明孔子因助祭入太廟、廟中禮儀祭器、雖知之、猶每事復問、愼之至也)とある。『論語注疏』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 入太廟、毎事問 … 『集解』に引く鄭玄の注に「君の為に祭を助くるなり。大廟は、周公の廟なり」(爲君助祭也。大廟、周公廟也)とある。なお、底本には注がないので、懐徳堂本に従い補った。『論語義疏』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。また『義疏』に「或ひと云う、此の句煩重なり、と。旧通に云う、前は是れ孔子或る人に対うるの時を記す。此れは是れ平生常行の事を録す。故に両出するなり、と」(或云、此句煩重。舊通云、前是記孔子對或人之時。此是録平生常行之事。故兩出也)とある。『論語義疏』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 『集注』には「重出す」(重出)とあり、この章の注なし。『論語集注』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 伊藤仁斎『論語古義』に「此の篇は本夫子平生の行事に係る、故に此の一節、前に嘗て備に之を記すと雖も、是に於いて又た之を録す、重出に非ず」(此篇本係夫子平生之行事、故此一節、前雖甞備記之、於是又録之非重出)とある。『論語古義』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 荻生徂徠『論語徴』には重出のため、この章の注なし。
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