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酔下祝融峰(朱熹)

醉下祝融峯
酔(よ)うて祝(しゅく)融(ゆう)峰(ほう)を下(くだ)る
朱(しゅ)熹(き)
  • 〔テキスト〕 『晦庵先生朱文公文集』巻五(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。風(上平声東韻)、胸・峯(上平声冬韻)通用。
  • 祝融峰 … 南岳衡山(こうざん)(湖南省衡陽市)にある峰の名。衡山七十二峰中の最高峰。祝融は、火の神のこと。この詩は、作者が湖南省長沙にある岳麓(がくろく)書院に、学者の張栻(ちょうしょく)(1133~1180)を尋ね、帰りに二人で祝融峰に登り、酔いにまかせてこの峰を駆け下りたときの気分を詠っている。
  • 朱熹 … 1130~1200。南宋の儒学者。婺(ぶ)源(げん)(江西省婺源県)の人。字(あざな)は元晦(げんかい)、または仲晦、号は晦庵(かいあん)・晦翁(かいおう)。諡(おくりな)は文公。朱子と尊称される。紹興(1148)年、十九歳で進士に及第。北宋の周(しゅう)敦(とん)頤(い)・程顥(ていこう)・程(てい)頤(い)らの学説を集大成し、その学説は朱子学と呼ばれた。著書は『四書集註』『近思録』『資治通鑑綱目』『小学』など多数ある。ウィキペディア【朱熹】参照。
我來萬里駕長風
我(われ)来(きた)って万(ばん)里(り) 長(ちょう)風(ふう)に駕(が)す
  • 我来万里 … 私は万里の遠くからこの祝融峰にやって来た。
  • 駕長風 … 遠方から吹いて来る風に乗って。長風は、遠方から吹いて来る風。駕は、乗る。
絶壑層雲許盪胸
絶壑(ぜつがく)の層雲(そううん) 許(かく)も胸(むね)を盪(うご)かす
  • 絶壑 … 深く切りたった谷。壑は、谷。
  • 層雲 … 重なっている雲。
  • 許 … 「かくも」と読み、「こんなにも」と訳す。
  • 盪胸 … 胸を揺り動かす。胸中を揺さぶり動かす。
濁酒三杯豪氣發
濁酒(だくしゅ) 三杯(さんばい) 豪(ごう)気(き)発(はっ)し
  • 濁酒 … にごり酒。どぶろく。
  • 豪気 … 豪快な気分。
  • 発 … 起こる。
朗吟飛下祝融峯
朗吟(ろうぎん) 飛(と)び下(くだ)る 祝(しゅく)融(ゆう)峰(ほう)
  • 朗吟 … 詩を声高らかに吟じること。
  • 飛下 … 飛ぶように一気に駆け下りる。
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