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悼亡五首 其四(顧炎武)

悼亡五首 其四
悼亡とうぼうしゅ
えん
  • 〔出典〕 『亭林詩文集』巻五(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。村・孫・存(平声元韻)。
  • 悼亡 … 妻の死をいたみ悲しむこと。晋の詩人、潘岳はんがくが妻の死後、「悼亡詩三首」(『文選』巻二十三)を作ったことから。
  • この詩は妻が郷里で亡くなったと聞き、いたみ悲しんで作った詩。康熙十九(1680)年、作者六十八歳の作。五首連作の第四首。
  • 顧炎武 … 1613~1682。明末清初の学者。江蘇省崑山こんざん県の人。あざな寧人ねいじん。号は亭林。明末の混乱期には反清の抵抗運動に参加。清朝に入ってからは、明王朝の遺臣として清朝には仕えず、各地を遍歴しながら学問・著述に励んだ。清朝考証学の祖とされる。著に『日知録』、『音学五書』、『天下郡国利病書』、『亭林詩集』などがある。ウィキペディア【顧炎武】参照。
貞姑馬鬣在江村
ていりょう 江村こうそん
  • 貞姑 … 操を固く守ったしゅうとめ。「姑」は顧炎武の妻にとっての姑。顧炎武の母を指す。
  • 馬鬣 … りょうほうの略。墳墓の形の名。「鬣」は、たてがみ。土の盛り方が馬のたてがみに似ているからという。
  • 江村 … 川沿いの村。
送汝黃泉六歳孫
なんじ黄泉こうせんおくる 六歳ろくさいまご
  • 汝 … お前。顧炎武の妻を指す。
  • 黄泉 … 黄泉よみの国。死後の世界。あの世。
  • 六歳孫 … 六歳になる孫。『顧炎武年譜』によると、名は世樞せいすうあざな榮緒えいしょじゅう(姪)の洪慎こうしんに生まれた子を孫に立てたらしい。
地下相煩告公姥
地下ちか あいわずらわす こうげんことを
  • 地下 … 黄泉よみの国を指す。
  • 相 … ここでは「互いに」という意味ではなく、動作に対象があることを示す言葉。
  • 煩 … 面倒をかける。
  • 公姥 … 岳父(妻の父)、岳母(妻の母)を指す。
遺民猶有一人存
みん 一人いちにんそんするりと
  • 遺民 … 前の王朝の臣下で、新しい王朝に仕えない者。遺臣と同じ。ここでは、明王朝の遺臣として清朝に仕えなかった作者を指す。
  • 猶 … それでもなお。ここの場合は「なお~のごとし」と読む再読文字ではない。
  • 有一人存 … まだ一人生き残っております。
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