>   漢詩   >   歴代詩選:南宋   >   閑居初夏午睡起二絶句 其一(楊万里)

閑居初夏午睡起二絶句 其一(楊万里)

閑居初夏午睡起二絶句 其一
閑居かんきょしょすいよりぜっ いち
ようばん
  • 〔テキスト〕 『誠斎集』巻三(『四部叢刊 初編集部』所収)、『宋詩鈔』巻七十一(『四庫全書』所収)、他
  • 七言絶句。牙・紗・花(平声麻韻)。
  • ウィキソース「閑居初夏午睡起二絕句」参照。
  • 乾道二年(1166)、故郷での作。二首連作の第一首目。
  • 閑居 … 静かな所で暮らすこと。ひまな日常。のんびり暮らすこと。静かな住居。「間居」とも書く。
  • 午睡 … 昼寝。
  • 楊万里 … 1127~1206。南宋の詩人、学者。吉州吉水(江西省吉水県)の人。あざなは廷秀。号は誠斎。おくりなは文節。南宋四大家(陸游・范成大・楊万里・尤袤)の一人。紹興二十四年(1154)、進士に及第。同年の合格者に范成大がいる。国子博士などを歴任し、宝文閣待制を以て退官した。自由闊達な詩風で、俗語を多用した。著に『誠斎集』百三十三巻などがある。ウィキペディア【楊万里】参照。
梅子留酸軟齒牙
ばい さんとどめて歯牙しがやわらかくし
  • 梅子 … 梅の実。
  • 留酸 … 酸っぱさが口に残る。
  • 軟歯牙 … 歯が浮いたように感じる。
芭蕉分綠與窗紗
しょう みどりわかって そうあた
  • 芭蕉 … バショウ科の多年草。全体はバナナに似ている。葉は長楕円形で、長さは2メートルほどになる。ウィキペディア【バショウ】参照。
  • 分緑与 … 緑を(窓のしゃに)分け与える。芭蕉の葉の緑色が、窓の紗に映っていて、もともと緑色だったものがさらに濃くなった様子。
  • 窓紗 … 窓に張った薄い紗のカーテン。
日長睡起無情思
ながく ねむりよりきて じょう
  • 日長 … 日が長いこと。昼の時間が長いこと。
  • 睡 … 昼寝。
  • 無情思 … 何も思うことがない。何となく物憂い様子。「情思」は心中の思い。
閑看兒童捉柳花
しずかにる どうりゅうとらうるを
  • 閑看 … のんびりと眺めている。
  • 児童 … 子どもたち。
  • 柳花 … 柳の綿毛。りゅうじょ。柳の白い綿毛のついた種子。晩春から初夏の頃、綿のように乱れ飛ぶ。
  • 捉 … つかまえる。つかまえようと走り回っている。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行