>   漢詩   >   歴代詩選:明   >   暮秋村居即事六首 其三(王世貞)

暮秋村居即事六首 其三(王世貞)

暮秋村居即事六首 其三
しゅう村居そんきょそく六首ろくしゅ さん
おう世貞せいてい
  • 〔テキスト〕 『弇州四部稿』巻五十一(『四庫全書』所収)、他
  • 七言絶句。烘・中(平声東韻)。
  • 暮秋 … 秋の終わり頃。晩秋。
  • 村居 … 村里に住むこと。田舎住まい。
  • 即事 … 目の前の情景や事柄に即して、見たままに詠じたもの。
  • 王世貞 … 1526~1590。明の文学者、政治家。太倉(江蘇省)の人。あざなは元美。号はえんしゅう山人。嘉靖二十六年(1547)、進士に及第。官は刑部尚書にまで至った。李攀竜らとともに古文辞を唱え、李夢陽の「文は秦漢、詩は盛唐」の説を継承した。李攀竜・謝榛しゃしん・宗臣・梁有誉・徐中行・呉国倫とともに「後七子」の一人。『弇州山人四部稿』、評論集『芸苑卮言』などがある。ウィキペディア【王世貞】参照。
紫蠏黄鷄饞殺儂
かい 黄鶏こうけい われ饞殺ざんさつせしむ
  • 紫蟹 … 蟹の一種。小さく赤茶色。冬場に採れる。
  • 黄鶏 … 茶色の羽の鶏。かしわ。
  • 儂 … わし。自称の言葉。中世からの俗語。
  • 饞殺 … むさぼり食わせる。「饞」は、むさぼる。「殺」は動詞のあとにつけ、意味を強める接尾辞。ここでは使役に読む。
醉來頭腦任冬烘
きたりて のう 冬烘とうこうたるにまか
  • 酔来 … 酔いがまわって。酔うほどに。
  • 冬烘 … 頭がのぼせて明晰でないさま。ぼんやりしたさま。ここでは酔いがまわって、頭がぼーっとしたさま。畳韻の語。
  • 任 … そうなるのに任せる。
農家別有農家語
のうにはべつのう
  • 語 … ここでは語らい。
不在詩書禮樂中
しょ 礼楽れいがくうちらず
  • 詩書 … 『詩経』と『書経』。
  • 礼楽 … 礼儀と音楽に対する態度。
  • 不在詩書礼楽中 … 儒教的道徳の中にはないものだ。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行