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行宮(元稹)

行宮
行宮(あんぐう)
元稹(げんしん)
  • ウィキソース「行宮」参照。
  • 行宮 … 離宮。ここでは玄宗皇帝の離宮を指す。「行」を「アン」と読むのは唐音(唐宋音)読み。「ギョウ」と読むのは呉音読み。「コウ」と読むのは漢音読み。『全唐詩』には「一作王建詩」と注する。
  • この詩は、玄宗皇帝の盛時から約五十年ほど経過した作品である。
  • 元稹 … 779~831。中唐の詩人。河南(河南省洛陽市)の人。字(あざな)は微之(びし)。貞元九年(793)、十五歳で明経科に合格。元和元年(806)、進士に及第。左拾遺、監察御史などを歴任。元和五年(810)、江陵府(湖北省)の士曹参軍に左遷された。元和十年(815)、通州(四川省達州市)に左遷。長慶二年(822)、同中書門下平章事(宰相職)となるが、わずか四ヶ月で失脚、同州(陝西省渭南市)刺史に出される。大和三年(829)、都に戻り、尚書左丞となった。また武昌軍節度使にもなった。大和五年(831)、武昌(湖北省武漢市武昌区)にて病死した。白居易の親友で元白と併称された。伝奇小説『鶯々(おうおう)伝(でん)』、詩文集『元氏長慶集』六十巻がある。ウィキペディア【元稹】参照。
寥落古行宮
寥(りょう)落(らく)たり 古(いにしえ)の行宮(あんぐう)
  • 寥落 … 荒れ果てて寂しいさま。双声(そうせい)(語頭の子音が同じであること)の語。
  • 古 … 昔。『唐詩三百首』では「故」に作る。
  • 行宮 … 離宮。
宮花寂寞紅
宮(きゅう)花(か) 寂寞(せきばく)として紅(くれない)なり
  • 宮花 … 離宮の庭に咲いている花。
  • 寂寞 … ひっそりして静かで寂しいさま。畳(じょう)韻(いん)(同じ母音で終わる二字を重ねたもの)。
白頭宮女在
白頭(はくとう)の宮(きゅう)女(じょ)在(あ)り
  • 白頭 … 白髪。
  • 宮女 … (老女となった、かつて)宮廷に仕えた女官。
  • 在 … いる。
閑坐説玄宗
閑(かん)坐(ざ)して玄宗(げんそう)を説(と)く
  • 閑坐 … 静かに坐る。
  • 玄宗 … 唐の第六代皇帝。李隆基。在位712~756。はじめは善政を行なったが、晩年は楊貴妃を寵愛し、政治を怠った。ウィキペディア【玄宗 (唐)】参照。
  • 説 … (玄宗の在りし日を)物語る。思い出話をする。
詩型・韻字
  • 五言絶句。
  • 宮・紅(上平声東韻)、宗(上平声冬韻)通用。
テキスト
  • 『全唐詩』巻四百十(排印本、中華書局、1960年)
  • 『元氏長慶集』巻十五(『四部叢刊 初篇集部』所収、明嘉靖壬子董氏刊本)
  • 『唐詩三百首注疏』巻六上・五言絶句(廣文書局、1980年)
  • 『元稹集』巻十五(冀勤点校、中国古典文学基本叢書、中華書局、1982年)
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