登楼(杜甫)
花近高樓傷客心
花は高楼に近くして 客心を傷ましむ
萬方多難此登臨
万方多難なるとき ここに登臨す
錦江春色來天地
錦江の春色 天地に来たり
- 色來 … 『全唐詩』、『杜陵詩史』、『杜詩詳注』、『九家集注杜詩』、『杜工部詩集』(『杜詩又叢』所収)、『讀杜心解』には「一作水流」との注あり。『錢注杜詩』、『杜工部集』(学生書局)には「一云水流」との注あり。『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)には「一作春水沁天地」との注あり。『分門集注杜工部詩』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「洙曰一作水流」との注あり。
玉壘浮雲變古今
玉塁の浮雲 古今に変ず
北極朝廷終不改
北極の朝廷 ついに改まらず
西山寇盜莫相侵
西山の寇盗 相侵すことなかれ
可憐後主還祠廟
憐れむべし 後主もまた廟に祠らる
日暮聊爲梁甫吟
日暮 いささか梁甫の吟をなす
- 甫 … 『杜詩詳注』では「父」に作り、「甫同」との注あり。『唐詩三百首注疏』、『唐詩三百首詳析』、『(刻)杜少陵先生詩分類集註』(『和刻本漢詩集成 唐詩4』所収)でも「父」に作る。