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照鏡見白髪(張九齢)

照鏡見白髮
かがみらして白髪はくはつ
ちょうきゅうれい
  • 五言絶句。年・憐(平声先韻)。
  • 『全唐詩』『全唐詩逸』未収録。陳尚君輯校『全唐詩補編 上』(中華書局、1992年)所収。
  • 照鏡見白髪 … 『曲江張先生集』(四部叢刊本)では「照鏡見白髪聯句」に作る。
  • 照鏡 … 鏡に顔を映して見ること。鏡は今日の鏡と違い、銅鏡(唐鏡)。
  • 張九齢 … 673~740。初唐の詩人。あざな寿じゅ韶州しょうしゅうきょっこう(広東省)の人。長安二年(702)、進士に及第。玄宗に仕えて中書令(宰相)となったが、りん讒言ざんげんによりけいしゅう(湖北省江陵)に長史(副官)として左遷された。『曲江張先生集』二十巻がある。ウィキペディア【張九齢】参照。
宿昔青雲志
宿しゅくせき 青雲せいうんこころざし
  • 宿昔 … ずっと昔。以前。釈大典『唐詩解頤』では「夙昔」に作る。同義。
  • 青雲志 … 立身出世しようとする志。
蹉跎白髮年
蹉跎さたたり 白髪はくはつとし
  • 蹉跎 … つまずいて、思いどおりにならないこと。時機を失すること。
  • 白髪年 … 白髪の生える年になってしまった。
誰知明鏡裏
たれらん めいきょううち
  • 誰知 … 誰が思い至ったであろう(いや誰も思い至らない)。反語。
  • 明鏡 … 曇りがない鏡。
  • 裏 … うち。中。「うら」ではない。
形影自相憐
形影けいえい みずかあいあわれまんとは
  • 形影 … 自分の(衰えた)身体と、鏡に映った(衰えた)姿。
  • 自 … 自分自身で。自分同士で。「おのずから」と読んだ場合は「自然に」の意となる。
  • 相憐 … 互いに憐れみ合う。
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