哀江頭(杜甫)
哀江頭 (
江頭に
哀しむ)
杜甫
- 七言古詩。哭・曲・緑(入聲屋韻)、色・側・勒・翼・得・息・臆・極・北(入聲職韻)。
少陵野老呑聲哭
少陵の野老 声を呑んで哭し
春日潛行曲江曲
春日潜行す 曲江の曲
江頭宮殿鎖千門
江頭の宮殿 千門を鎖し
細柳新蒲爲誰緑
細柳新蒲 誰がためにか緑なる
憶昔霓旌下南苑
憶う 昔 霓旌南苑に下りしとき
苑中萬物生顏色
苑中の万物 顔色を生ず
昭陽殿裏第一人
昭陽殿裏 第一の人
同輦隨君侍君側
輦を同じうし 君に随って 君側に侍す
輦前才人帶弓箭
輦前の才人 弓箭を帯び
- 才 … 『全唐詩』、『杜陵詩史』、『杜詩詳注』、『錢注杜詩』、『九家集注杜詩』、『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)には「一作詞」との注あり。『分門集注杜工部詩』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「洙曰一作詞」との注あり。
白馬嚼囓黄金勒
白馬嚼齧す 黄金の勒
- 嚼 … 『全唐詩』、『杜陵詩史』、『杜詩詳注』、『錢注杜詩』、『九家集注杜詩』、『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)、『(刻)杜少陵先生詩分類集註』(『和刻本漢詩集成 唐詩3』所収)には「一作噍」との注あり。『分門集注杜工部詩』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「洙曰一作噍」との注あり。
翻身向天仰射雲
身を翻して天に向かい 仰いで雲を射る
- 天 … 『全唐詩』、『杜詩詳注』、『錢注杜詩』、『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)には「一作空」との注あり。
一箭正墮雙飛翼
一箭 まさに堕す 双飛翼
- 箭 … 『唐詩三百首注疏』では「笑」に作る。『杜詩詳注』でも「笑」に作り、「『正異』作笑、別本作箭、蔡君謨作發」との注あり。また、『宋本杜工部集』には「一云笑」との注あり。『全唐詩』には「一作笑。一作發」との注あり。『錢注杜詩』には「考異作笑。蔡君謨作發」との注あり。『分門集注杜工部詩』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「洙曰一作笑」との注あり。『九家集注杜詩』、『杜陵詩史』には「一作笑」との注あり。『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)には「正異作笑蔡君謨作發」との注あり。
明眸皓齒今何在
明眸皓歯 今何くにかある
血汚遊魂歸不得
血は遊魂を汚して 帰り得ず
- 血汚遊魂 … 「血汚の遊魂」とも訓む。
清渭東流劔閣深
清渭は東流し 剣閣は深し
去住彼此無消息
去住彼此 消息なし
人生有情涙沾臆
人生 情あり 涙 臆を沾す
江水江花豈終極
江水 江花 豈についに極まらんや
- 水 … 『唐詩三百首注疏』では「草」に作る。『杜詩詳注』でも「草」に作り、「一作水」との注あり。また、『全唐詩』、『錢注杜詩』、『宋本杜工部集』、『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)、『杜陵詩史』には「一作草」との注あり。『分門集注杜工部詩』(『四部叢刊 初編集部』所収)には「洙曰一作草」との注あり。
黄昏胡騎塵滿城
黄昏 胡騎 塵 城に満つ
欲往城南忘城北
城南に往かんと欲して 城北を忘る
- 忘城北 … 『錢注杜詩』、『杜陵詩史』では「忘南北」に作り、「一云望城北」との注あり。『分門集注杜工部詩』(『四部叢刊 初編集部』所収)でも「忘南北」に作り、「洙曰一云望城北」との注あり。『全唐詩』、『草堂詩箋』(『古逸叢書』所収)でも「忘南北」に作り、「一作望城北」との注あり。『唐詩三百首』では「望城北」に作る。『杜詩詳注』でも「望城」に作り、「一作忘城、一作忘南」との注あり。『樂府詩集』も「望城北」に作り、「一作望南北」との注あり。『(刻)杜少陵先生詩分類集註』(『和刻本漢詩集成 唐詩3』所収)でも「忘南北」に作り、「一作忘城北」との注あり。
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