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夏夜追涼(楊万里)

夏夜追涼
夏夜かやりょう
ようばん
  • 〔テキスト〕 『誠斎集』巻五(『四部叢刊 初編集部』所収)、『宋詩鈔』巻七十一(『四庫全書』所収)、他
  • 七言絶句。同・中・風(平声東韻)。
  • 追涼 … 涼気を求めること。「追」は「逐」に作るテキストもある。
  • 楊万里 … 1127~1206。南宋の詩人、学者。吉州吉水(江西省吉水県)の人。あざなは廷秀。号は誠斎。おくりなは文節。南宋四大家(陸游・范成大・楊万里・尤袤)の一人。紹興二十四年(1154)、進士に及第。同年の合格者に范成大がいる。国子博士などを歴任し、宝文閣待制を以て退官した。自由闊達な詩風で、俗語を多用した。著に『誠斎集』百三十三巻などがある。ウィキペディア【楊万里】参照。
夜熱依然午熱同
ねつ ぜんとして ねつおな
  • 夜熱 … 夜になってもまだ残っている暑さ。
  • 午熱 … 昼間の暑さ。真昼のうだるような暑さ。
開門小立月明中
もんひらいて しょうりつす 月明げつめいうち
  • 小立 … しばらく立ったままでいる。
  • 月明 … 月あかり。
竹深樹密蟲鳴處
たけふかく みつに むしところ
  • 竹深 … 竹林がこんもりと深く生い茂っている様子。
  • 樹密 … 樹木が薄暗くなるほど鬱蒼と生い茂っている様子。
時有微涼不是風
ときりょうり かぜならず
  • 時 … ときどき。時おり。
  • 微涼 … かすかな涼しさ。
  • 不是風 … 風が吹いたわけではない。
  • 是 … 「~これ…」と読み、「~は…だ」と訳す。認定の意を示す。けい(英語のbe動詞のようなもの)。
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巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
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