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芙蓉楼送辛漸(王昌齢)

芙蓉樓送辛漸
ようろうにて辛漸しんぜんおく
おうしょうれい
  • 七言絶句。呉・孤・壺(平声虞韻)。
  • 『全唐詩』巻143所収。『唐詩三百首』七言絶句所収。ウィキソース「芙蓉樓送辛漸二首 其一」参照。
  • 芙蓉楼 … 現在の江蘇省鎮江の西北隅にあった高楼。
  • 辛漸 … 王昌齢の友人。人物については不明。
  • 芙蓉樓送辛漸 … 『全唐詩』では「芙蓉樓送辛漸二首 其一」に作る。『文苑英華』では「芙蓉樓送辛漸長」に作り、第二首のみ収録。
  • 王昌齢 … 698~755。盛唐の詩人。京兆(陝西省西安市)の人。あざなは少伯。開元十五年(727)、進士に及第。秘書省の校書郎に任ぜられたが、素行が悪かったため、竜標(湖南省黔陽けんよう)の尉に左遷された。のちに安禄山の乱が起こったので故郷に逃げ帰ったが、刺史のりょ丘暁きゅうぎょうに殺されたという。李白とともに七言絶句の名手として有名。また、高適・岑参とともに辺塞詩人のひとりに数えられる。『王昌齢詩集』がある。ウィキペディア【王昌齢】参照。
寒雨連江夜入呉
かん こうつらなって よる 
  • 寒雨 … 冷たい雨。
  • 連江 … 冷たい雨が揚子江の上に降りしきり、雨と揚子江の水面との境い目がはっきりしない様子。「江」は揚子江。
  • 江 … 『全唐詩』では「天」に作る。
  • 呉 … 蘇州や鎮江あたりの地。江蘇省東南部の総称。『全唐詩』では「湖」に作る。
  • 服部南郭『唐詩選国字解』には「われ今左遷の身で、雨ふりのさむいじぶんに、雨にうたれながら、川ばた通りを、夜る楚國より呉國へゆく」とある。『漢籍国字解全書』第10巻(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
平明送客楚山孤
平明へいめい かくおくれば ざん なり
  • 平明 … 夜明けがた。
  • 客 … 旅人。辛漸を指す。
  • 楚山 … 鎮江の北、揚子江対岸の山を指していると思われる。
  • 孤 … ぽつんと一つ見える。
洛陽親友如相問
洛陽らくよう親友しんゆう あいわば
  • 洛陽 … 今の河南省洛陽市。唐代の副都として栄えた。東都とも呼ばれた。ウィキペディア【洛陽市】参照。
  • 親友 … 洛陽の友人たち。
  • 如 … 「もし~ば」と読み、「もし~ならば」と訳す。仮定条件の意を示す。
  • 相問 … (洛陽の友人たちが)もし君に私のことを尋ねたら。
  • 相 … ここでは「互いに」という意味ではなく、動作に対象があることを示す言葉。
一片冰心在玉壺
一片いっぺんひょうしん ぎょっ
  • 一片 … ひとかけらの。
  • 氷心 … 氷のように清く澄み切った心。「冰」は氷の異体字。
  • 玉壺 … はくぎょくで作った美しい壺。
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