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閨怨(王昌齢)

閨怨
閨怨けいえん
おうしょうれい
  • 七言絶句。愁・樓・侯(平声尤韻)。
  • 王昌齢 … 698~755。盛唐の詩人。京兆(陝西省西安市)の人。あざなは少伯。開元十五年(727)、進士に及第。秘書省の校書郎に任ぜられたが、素行が悪かったため、竜標(湖南省黔陽けんよう)の尉に左遷された。のちに安禄山の乱が起こったので故郷に逃げ帰ったが、刺史のりょ丘暁きゅうぎょうに殺されたという。李白とともに七言絶句の名手として有名。また、高適・岑参とともに辺塞詩人のひとりに数えられる。『王昌齢詩集』がある。ウィキペディア【王昌齢】参照。
閨中少婦不知愁
けいちゅうしょう うれいをらず
  • 閨中 … 妻の寝室を指す。閨は、婦人の部屋。寝室。
  • 少婦 … 若妻。『新唐詩選』(岩波新書)等では「下町の平凡な女」とするが、張明澄『間違いだらけの漢文』(久保書店)では「この若妻が『樓』のある家に住めるからには、あきらかにちょっとしたお金もちであり、けっして下町の女ではない」と指摘している。
  • 知 … 『全唐詩』等では「曾」に作る。
春日凝粧上翠樓
しゅんじつ よそおいをらして翠楼すいろうのぼ
  • 凝粧 … 『新唐詩選』(岩波新書)等では「あつ化粧」とするが、『間違いだらけの漢文』(久保書店)では「『丹念に化粧する』『念入りに化粧する』『化粧に多く気を使う』などの意味であり、決して『あつ化粧』ではない」と指摘している。
  • 翠楼 … 青く塗った高殿。青楼に同じ。「妓楼」という意味もあるが、ここではその意味ではない。
忽見陌頭楊柳色
たちまる 陌頭はくとう ようりゅういろ
  • 陌頭 … 道ばた。
  • 楊柳 … やなぎ。
悔教夫壻覓封侯
ゆらくは せいをして封侯ほうこうもとめしめしを
  • 夫壻 … 夫。わが夫。
  • 封侯 … 諸侯として封ずる。
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