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子夜春歌(郭震)

子夜春歌
子夜しやしゅん
郭震かくしん
  • 五言絶句。枝・吹・知(平声支韻)。
  • 子夜春歌 … 『全唐詩』では「子夜四時歌六首 春歌二首 其一」に作る。
  • 子夜 … 子夜は元女性の名。子夜のうたった歌の曲に合わせて、後世の詩人が作ったかえ歌。
  • 郭震 … 656~713。初唐の詩人。魏州貴郷(河北省大名だいめい県)の人。あざな元振げんしん。高宗の咸亨かんこう四年(673)、十八歳で進士に及第。官は同中書門下三品(宰相)に至った。『唐詩選』では誤って「郭振」に作る。ウィキペディア【郭震】参照。
陌頭楊柳枝
陌頭はくとう ようりゅうえだ
  • 陌頭 … 道ばた。
  • 楊柳 … やなぎ。
已被春風吹
すでしゅんぷうかれたり
妾心正斷絶
しょうこころ まさ断絶だんぜつ
  • 妾 … 女性の一人称代名詞。わたし。わらわ。
君懷那得知
きみおもなんることを
  • 懐い … 胸のうち。
余説
この詩は江戸時代の詩人によって、いくつか意訳されている。
  • 道のほとりの青柳あをやぎを、あれ春風の吹きわたる、わしの心のやるせのなさを、思ふあたりに知らせたや。(服部南郭)
  • 町のほとりの柳さへ、あれ春風が吹くわいな、わしが心の遣る瀬なさ、思ふとのごにしらせたい。(柳澤淇園)
  • き返る、ちまたの柳、枝垂れて、春のあらしに吹かるめり、心乱れしこのうさを、恋しき人の知るべくもがな。(大江玄圃)
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