>   漢詩   >   唐詩選   >   巻三 五律   >   題松汀駅(張祜)

題松汀駅(張祜)

題松汀驛
しょうていえきだい
ちょう
  • 五言律詩。東・風・通・中(平声東韻)。
  • ウィキソース「全唐詩/卷510」参照。
  • 詩題 … 松汀駅とは宿場の名。所在地は不明。その駅の壁に書き記した詩。『全唐詩』には題下に「一本無題字」とある。
  • 張祜 … 782?~852?。中唐の詩人。清河(河北省邢台市清河県)の人。一説に南陽(河南省南陽市)の人。あざなしょうきつ。穆宗の長慶年間、令狐楚が朝廷に推薦したが、採用されなかった。その後、各地を放浪し、晩年は丹陽(江蘇省丹陽市)に隠棲して、そこで没した。『張承吉文集』十巻がある。ウィキペディア【張祜】参照。
山色遠含空
さんしょく とおそらふく
  • 含空 … 空の色とまじり合っていること。
蒼茫澤國東
蒼茫そうぼうたり 沢国たくこくひがし
  • 蒼茫 … 青々と広がっているようす。
  • 沢国 … 池や沼などの多い地方。
海明先見日
うみけて
江白迥聞風
こうしろくしてはるかにかぜ
  • 迥 … 遠く。
鳥道高原去
ちょうどう 高原こうげん
  • 鳥道 … 鳥しか飛べないような険しい山道。
人煙小徑通
人煙じんえん しょうけいつう
  • 人煙 … 人家から立ちのぼる煙。
  • 小径 … こみち。
那知舊遺逸
なんらん きゅういつ
  • 那 … 反語の意を示す言葉。「なんぞ」と読み、「どうして~か(いや~ではない)」と訳す。
  • 旧 … 昔の。
  • 遺逸 … 隠遁者。ここでは越の范蠡はんれいを指す。ウィキペディア【范蠡】参照。
不在五湖中
五湖ごこうちらざるを
  • 五湖 … 蘇州にある太湖の別名。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行