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終南山(王維)

終南山
しゅうなんざん
おう
  • 〔テキスト〕 『王右丞文集』巻四(静嘉堂文庫蔵、略称:静嘉堂本)、『王摩詰文集』巻六(略称:蜀刊本)、『須溪先生校本唐王右丞集』巻四(『四部叢刊 初篇集部』所収)、顧起経注『類箋唐王右丞詩集』巻四(略称:顧起経注本)、顧可久注『唐王右丞詩集』巻四(『和刻本漢詩集成 唐詩1』所収、略称:顧可久注本)、趙殿成注『王右丞集箋注』巻七(略称:趙注本)、『唐詩選』巻三、『唐詩三百首』五言律詩、『全唐詩』巻一百二十六、『文苑英華』巻一百五十九、『唐詩品彙』巻六十一、他
  • 五言律詩。隅・無・殊・夫(平声虞韻)。
  • ウィキソース「終南山」参照。
  • 終南山 … 長安の南方にある山。『全唐詩』には「題下に一に行の字有り、一に終山行に作る」(題下一有行字、一作終山行)とある。『蜀刊本』では「終南山行」に作る。『文苑英華』では「終山行」に作る。
  • この詩の後半四句は『楽府詩集』巻七十九・近代曲辞一に「陸州歌第一」として収録。ウィキソース「樂府詩集/079卷」参照。
  • 王維 … 699?~761。盛唐の詩人、画家。太原(山西省)の人。あざなきつ。開元七年(719)、進士に及第。安禄山の乱で捕らえられたが事なきを得、乱後は粛宗に用いられてしょうじょゆうじょう(書記官長)まで進んだので、王右丞とも呼ばれる。また、仏教に帰依したため、詩仏と称される。『王右丞集』十巻(または六巻)がある。ウィキペディア【王維】参照。
太乙近天都
太乙たいいつ てんちか
  • 太乙 … 太乙峰。
  • 乙 … 『静嘉堂本』『蜀刊本』『四部叢刊本』『顧起経注本』『顧可久注本』『文苑英華』では「一」に作る。
  • 天都 … 天帝の都。
連山到海隅
連山れんざん 海隅かいぐういた
  • 山 … 『顧起経注本』『全唐詩』には「一作天」とある。『文苑英華』では「天」に作り、「集作山」とある。
  • 到 … 『全唐詩』では「接」に作り、「一作到」とある。
  • 海隅 … 東海のはて。
白雲廻望合
白雲はくうん のぞみをめぐらせばがっ
  • 廻 … 『蜀刊本』では「回」に作る。
青靄入看無
青靄せいあい かんれば
  • 青靄 … 青いもや。
  • 靄 … 『静嘉堂本』『四部叢刊本』では「藹」に作る。同義。
分野中峯變
ぶん ちゅうほうへん
  • 分野 … 古代の天文家が中国全域を天の二十八宿に従ってわけた区域。
  • 中峰 … 中央の峰。ここでは太乙峰を指す。
陰晴衆壑殊
陰晴いんせい しゅうがくことなり
  • 陰晴 … くもりと晴れ。
  • 衆壑 … 多くの谷。
欲投人處宿
人処じんしょとうじて宿やどらんとほっ
  • 人処 … 人のいる所。
  • 處宿 … 『顧可久注本』では「宿處」に作る。和刻本では、この一句を「ひととうじて宿しゅくせんとほっするところ」(欲投人宿處)と訓読している。
隔水問樵夫
みずへだててしょう
  • 水 … 『顧起経注本』『全唐詩』には「一作浦」とある。『文苑英華』では「浦」に作り、「集作水」とある。
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