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従軍行(楊烱)

從軍行
じゅうぐんこう
楊烱ようけい
  • 五言律詩。京・平・城・聲・生(平声庚韻)。
  • ウィキソース「從軍行 (楊炯)」参照。
  • 従軍行 … 楽府題。従軍の歌。行は、歌・曲の意。軍旅の苦辛を述べて作る。『楽府古題要解』巻下、従軍行の条に「皆軍旅の苦辛を述ぶるの詞なり」(皆述軍旅苦辛之詞也)とある。ウィキソース「樂府古題要解」参照。
  • 楊炯 … 初唐の詩人。華陰(陝西省)の人。初唐四傑(王勃・楊炯・盧照鄰・駱賓王)の一人に数えられる。ウィキペディア【楊炯】参照。
烽火照西京
ほう 西京せいけいらし
  • 烽火 … のろし。烽煙。烽燧ほうすい。『漢書』賈誼伝に「斥候烽燧ほうすいを望んで、臥すことを得ず」(斥候望烽燧、不得臥)とあり、その注に「文穎曰く、辺方胡の寇に備うるに、高土櫓を作り、櫓上に桔皐を作り、桔皐は兜零を頭にし、薪草を以て其の中に置き、常には之をれ、寇有れば即ち火を然やし之を挙げ、以て相告ぐるを、烽と曰う。又多く薪を積み、寇至れば即ち之を燃やし、以て其の煙を望むを、燧と曰う。張晏曰く、昼は烽を挙げ、夜は燧をくなり。師古曰く、張が説は誤れり。昼は則ち燧を燔き、夜は則ち烽を挙ぐ」(文穎曰、邊方備胡寇、作高土櫓、櫓上作桔皐、桔皐頭兜零、以薪草置其中、常低之、有寇即火然舉之、以相告、曰烽。又多積薪、寇至即燃之、以望其煙、曰燧。張晏曰、晝舉烽、夜燔燧也。師古曰、張說誤也。晝則燔燧、夜則舉烽)とある。ウィキソース「漢書/卷048」参照。
  • 西京 … 長安。
心中自不平
しんちゅう おのずからたいらかならず
  • 不平 … 穏やかでない。
牙璋辭鳳闕
しょう 鳳闕ほうけつ
  • 牙璋 … 軍隊を出陣させるときに使う割り符。
  • 鳳闕 … 天子の宮殿。
鐵騎繞龍城
てっ 竜城りゅうじょうめぐ
  • 鉄騎 … 鉄のよろいをつけた精鋭の騎兵部隊。
  • 竜城 … 匈奴の築いたとりで。
雪暗凋旗畫
ゆきくらくして旗画きがしぼ
  • 旗画 … 軍旗の絵模様。
風多雜鼓聲
かぜおおくしてせいまじわる
寧爲百夫長
むしひゃっちょうらんも
  • 百夫長 … 百人くらいの兵を指揮する小隊長。夫は兵のこと。
勝作一書生
いち書生しょせいるにまされり
  • 書生 … 読書の人。
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