焚書坑(章碣)
焚書坑
焚書坑
焚書坑
竹帛煙銷帝業虚
竹帛 煙銷えて 帝業虚し
- 竹帛 … 竹や帛の書籍。
- 銷 … 「消」に同じ。
- 帝業 … 秦の始皇帝による天下統一の事業。
關河空鎖祖龍居
関河 空しく鎖す 祖竜の居
- 関河 … 函谷関と黄河。
- 祖竜 … 秦の始皇帝。
- 居 … 始皇帝のいた咸陽の宮殿を指す。
坑灰未冷山東亂
坑灰 未だ冷えざるに 山東乱る
- 坑灰 … 坑の中で焼いた書物の灰。
- 山東 … 函谷関の東方。六国(燕・趙・斉・韓・魏・楚)を指す。
劉項元來不讀書
劉項 元来 書を読まず
- 劉項 … 劉邦と項羽。
- 不読書 … 陸賈がいつも『詩経』や『書経』をほめたたえると、劉邦は「俺さまは馬にまたがって天下をとったのだ。今さら『詩経』や『書経』などに頼ったりするものか」と答えた〔迺公居馬上而得之、安事詩書〕(『史記』陸賈列伝)。
また、項羽が少年のとき、書法と剣術を学んだがどちらも上達しなかった。おじの項梁がその不甲斐なさを怒ったが、項羽は「文字は名前が書ければ事足りる。剣術はひとりの敵と戦うだけのもので、自分は万人の敵と戦う術を学びたい」といった〔項籍少時、學書不成、去學劍、又不成。項梁怒之。籍曰、書足以記名姓而已。劍一人敵、不足學、學萬人敵〕(『史記』項羽本紀)。
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