六韜 疾戦第三十三
武王問太公曰、敵人圍我、斷我前後、絶我糧道、爲之奈何。
武王、太公に問うて曰く、「敵人、われを囲みて、わが前後を断ち、わが糧道を絶たば、これをなすこといかん」。
太公曰、此天下之困兵也。暴用之則勝、徐用之則敗。如此者、爲四武衝陳、以武車驍騎、驚亂其軍而疾撃之、可以横行。
太公曰く、「これ天下の困兵なり。暴にこれを用うればすなわち勝ち、徐にこれを用うればすなわち敗る。かくのごとき者は、四武の衝陳をなし、武車驍騎をもって、その軍を驚乱して疾くこれを撃たば、もって横行すべし」。
武王曰、若已出圍地、欲因以爲勝、爲之奈何。
武王曰く、「もしすでに囲地を出で、よってもって勝をなさんと欲せば、これをなすこといかん」。
太公曰、左軍疾左、右軍疾右、無與敵人爭道、中軍迭前迭後、敵人雖衆、其將可走。
太公曰く、「左軍は疾く左し、右軍は疾く右し、敵人と道を争うなく、中軍は迭いに前み迭いに後るれば、敵人衆しといえども、その将走らすべし」。