井蛙には以て海を語るべからず

井（せい）蛙（あ）には以（もっ）て海（うみ）を語（かた）るべからず

出典：『荘子』秋水（ウィキソース「莊子/秋水」参照）
解釈：井戸の中にすむ蛙（かえる）には、広い海のことを話してもわからない。「井蛙」は、世間知らずで、見識が狭い人。「井（い）の中の蛙（かわず）、大海（たいかい）を知らず」とも。

荘子 … 十巻三十三篇。戦国時代の思想書。内篇は荘周、外篇・雑篇は後学の著作と考えられている。成立年代不詳。『老子』の思想を継承し、道家思想を発展させたもので、内篇の中の逍遥遊・斉物論の二篇が最も重要である。『南（なん）華（か）真（しん）経（きょう）』とも。ウィキペディア【荘子 (書物)】参照。

北海若曰、井鼃不可以語於海者、拘於虚也。

北海（ほっかい）若（じゃく）曰（いわ）く、井（せい）蛙（あ）には以（もっ）て海（うみ）を語（かた）る可（べ）からざるは、虚（きょ）に拘（かかわ）ればなり。

夏蟲不可以語於氷者、篤於時也。

夏（か）虫（ちゅう）には以（もっ）て氷（こおり）を語（かた）る可（べ）からざるは、時（とき）に篤（あつ）ければなり。

曲士不可以語於道者、束於教也。

曲（きょく）士（し）は以（もっ）て道（みち）を語（かた）る可（べ）からざるは、教（おし）えに束（つか）ねらるればなり。

今爾出於崖涘、觀於大海、乃知爾醜。

今（いま）爾（なんじ）崖（がい）涘（し）より出（い）で、大海（たいかい）を観（み）、乃（すなわ）ち爾（なんじ）の醜（しゅう）を知（し）る。

爾將可與語大理矣。

爾（なんじ）将（まさ）に与（とも）に大（たい）理（り）を語（かた）る可（べ）からんとす。

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