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肯綮に中る

肯綮こうけいあた
  • 出典:『荘子』養生主(ウィキソース「莊子/養生主」参照)
  • 解釈:急所をつく。大切なところをおさえる。「肯」は骨についた肉、「綮」は肉と骨のつなぎ目。そこに包丁を当てれば、肉を骨から切り離すことができるので、物事の急所の意に用いる。
  • 荘子 … 十巻三十三篇。戦国時代の思想書。内篇は荘周、外篇・雑篇は後学の著作と考えられている。成立年代不詳。『老子』の思想を継承し、道家思想を発展させたもので、内篇の中の逍遥遊・斉物論の二篇が最も重要である。『なんしんきょう』とも。ウィキペディア【荘子 (書物)】参照。
臣之所好者道也。進乎技矣。始臣之解牛之時、所見無非牛者。三年之後、未嘗見全牛也。
しんこのところものみちなり。わざよりすすむ。はじしんうしときところうしあらざるものし。三年さんねんのちいまかつぜんぎゅうず。
  • 臣 … 臣下が君主に対してへりくだっていう自称。
方今之時、臣以神遇、而不以目視。官知止而神欲行。
いまときあたり、しんしんもっぐうして、もっず。かんとどまりて神欲しんよくく。
  • 神 … こころ。
  • 官知 … 感覚器官の働き。
  • 神欲 … 心の動き。
依乎天理、批大郤、導大窾。因其固然、技經肯綮之未嘗。而況大軱乎。
てんり、大郤だいげきし、大窾だいかんみちびく。もとよりしかるにり、わざ肯綮こうけいることいまかつてせず。しかるにいわんやだいをや。
  • 批 … うつ。
  • 大郤 … 大きなすきま。
  • 大窾 … 大きな穴。
  • 肯綮 … 「肯」は、骨についた肉。「綮」は、肉と骨のつなぎ目。
  • 軱 … 大きな骨。
……文惠君曰、善哉。吾聞庖丁之言、得養生焉。
……文恵君ぶんけいくんいわく、きかな。われ庖丁ほうていげんき、せいやしなうをたり、と。
  • 文恵君 … 戦国時代、魏の恵王。ウィキペディア【恵王 (魏)】参照。
  • 庖丁 … 古代の有名な料理人。「てい」は人名。牛の解体に巧みだった。
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