杯中の蛇影
杯中の蛇影
- 〔出典〕 『風俗通』怪神、『晋書』楽広伝、『蒙求』123広客蛇影
- 〔解釈〕 《杯中に蛇の影があるのを見て、蛇を飲んだと思って病気になったが、後にそれは弓の影であったと知り、病気がたちまち治ったという「風俗通」怪神の故事から》疑い惑う心が生じれば、つまらないことで神経を悩まし苦しむことのたとえ。(Yahoo!辞書 大辞泉 【杯中の蛇影】)
〔蒙求、123広客蛇影〕
晉書、樂廣字彦輔、南陽淯陽人。遷河南尹。常有親客、久闊不復來。廣問其故。答曰、前在坐蒙賜酒。方飮忽見盃中有蛇、意甚惡之。既飮而疾。
晋書にいう、楽広字は彦輔、南陽淯陽の人なり。河南の尹に遷る。常に親客有りしに、久闊復た来たらず。広其の故を問う。答えて曰く、前に坐に在りて酒を賜うを蒙る。飲むに方り忽ち盃中の蛇有るを見、意甚だ之を悪む。既に飲みて疾めり、と。
于時河南廳事壁上有角弓、漆畫作蛇。廣意盃中蛇即角弓影也。復置酒於前處、謂客曰、盃中復有所見不。答曰、所見如初。廣乃告其所以。客輍然意解、沈痾頓愈。
時に河南庁事の壁上に角弓有り、漆画にて蛇を作れり。広意う、盃中の蛇は即ち角弓の影ならん、と。復た酒を前処に置き、客に謂いて曰く、盃中復た見る所有りや不や。答えて曰く、見る所初めの如し。広乃ち其の所以を告ぐ。客輍然として意解け、沈痾 頓に愈ゆ。